GPSアートを描くための移動手段

GPSアートを描くための移動手段

一見すると「移動した軌跡で描く」だけですが、実はいろんなテクニックが存在します。
GPSアート黎明期から様々な方法で描いたベテランの立場から、やさしく解説します。

移動手段の種類

大別すると下記の通り。
諸説ありますが、僕の経験則ではこのような分類がシンプルかと。
どれも長所/短所があるので、使い分けて描くことが多いです。

  1. ラン/ウォーク
  2. 乗り物
  3. 公共交通機関
  4. その他

1. ラン/ウォーク


乗り物に頼らず、自らの力で移動して描きます。
日常のエクササイズ代わりに描かれる手法がこれ。
最も小回りが利く半面、大規模になればなるほど体力と時間が必要です。

長所

  • 手軽     準備が不要
  • 小回りが利く ある程度の道路コンディションに対応できる

短所

  • 移動距離の制約
  • 体力が必要

代表的な手法

  • ラン
  • ウォーク/徒歩
  • スイム/水泳

ラン

昨今、市民ランナーの間でGPSランお絵かきランがトレンドです。
STRAVAが STRAVAART を後押ししているのも一因ですが、コロナ禍の大会中止トレンドの影響で、大会出場を目標にしてきたランナーが新たなランニングのモチベート維持として始めたケースが多いです。

ウォーク/徒歩

比較的体力に依存せず気軽に始められるエクササイズ。
まち歩きや観光をはじめ、ロゲイニング/オリエンテーリング文化の発展形として、地理好きな人がGPSウォークを始めたケースが多いです。

スイム/水泳

湖や海(オープンウォーター)を泳いで描きます。
非常に少数派ですが、泳ぎに自信のある方のみ実行できるジャンルです。

2. 乗り物

原動機の有無や移動するフィールドによって細分されます。
ここでは、自らの意思で自由に移動できる乗り物(公共交通機関ではない)にフォーカスして話を進めます。
自らの足で移動するよりも大規模な作品が制作できる反面、運転免許や交通ルール等、移動に関する制約も多いです。

長所

  • 大規模  ウォークやランではできない規模や場所でできる
  • 移動が楽 直接歩いたり走ったりしない

短所

  • 移動場所の制約  交通ルールは守りましょう!

代表的な手法

  • 自転車/ロードバイク
  • モーターバイク/自動車
  • カヌー/ボート/水上スキー
  • ハングライダー

自転車/ロードバイク

原動機の付属しない車両等で、陸上を移動して描く手法。
乗り物系で描く作品は、ロードバイクで描かれるものが多いです。
特に欧米を中心にファンが多いジャンルです。

サイクリストがサイクルコンピュータを用いてアクティビティ管理していたこと、STRAVA(STRAVAARTを推進)がサイクリストを中心にユーザーを増やしていたこと、PHILIPSのキャンペーン(ロードバイクで描くGPSアート)も影響しています。

モーターバイク/自動車

原動機が付属した車両等で、陸上を移動して描く手法。
僕が始めたのもこれがきっかけでした。
自動車だと車中泊ができるので数日規模の作品が作りやすいのですが、交通ルールや道のコンディションによる制約が多いのも特長です。

カヌー/ボート/水上スキー

水上を移動する船体等を用いて描く手法。
海外だと一定層のファンがいるジャンルです。
国内だと自由に移動できる練習場が少ないため、ほとんど見られません。
また、国や船種によっては船舶免許が必要です。

ハングライダー/パラグライダー

飛行に使用する機体を用いて描く手法。
空中を移動するため、道による制約がありません。
ただし、安全と航空法で守られた範囲での制作を心掛けてください。

3. 公共交通機関

移動ルートが非常に制約されるので、コース選びに難儀します。
現実的には、複数の移動手段の併用となります。
出発/到着時刻が決まっているので、計画的な移動が必要になります。
非日常感を堪能できるため、旅のコンテンツのひとつとして楽しむのがお勧め!

長所

  • 移動がラク 自らの操縦でないので、移動中はくつろげる?
  • 非日常感  普段利用しない路線を利用できます

短所

  • 移動場所の制約 非常に限られたルート
  • 予算      交通費は膨大!

主な手法

  • バス
  • 鉄道/モノレール/路面電車
  • フェリー
  • 飛行機

バス

都市交通の要。
バス路線は公開された情報が少ないので、情報収集が欠かせません。
路線図は存在しても、正確なルートまで公開されたケースが少ないため、綿密な移動計画が必要です。

鉄道/モノレール/トラム

路線が少なく、描けるルートは非常に限られます。
特に地方は本数も少ないため、時刻表は要チェックです。
ただし、その軌道でないと通過できないルートが存在するため、うまく活用できるとオリジナリティの高い作品が制作できます。

フェリー

陸地間をつなぐ交通手段として重宝します。

僕も日本縦断レベルの作品を制作するときは、大変お世話になります。
時刻表と車両の積載可否を把握したうえでのスケジューリングを心掛けてください。
また、長距離フェリーは乗船に事前予約が必要なケースが多いです。

飛行機

超大規模な作品の制作ができます。
時々例外的に航空会社や小型飛行機がフライトレコーダーを用いて描くケースがありますが、一般人は定期便の航路を活用して描きます。

僕も世界一周レベルの作品を制作した際、飛行機を31本乗り継ぎましたが。。国をまたいだ移動になるため、スケジュール以外にも綿密な計画と準備が必要でした。海外旅行経験者でないとお勧めできません😅

4. その他

手法が珍しいので、実施すること自体の方が注目を集める傾向です。
非常に少数派ですが、これら手法で描かれた作品が実在します。

主な手法

  • ドローン   高度も利用した3D作品を描けるのが特長
  • ヒッチハイク テレビ番組で、オクラホマが北海道全土に描きましたね😀
  • 宅配ルート  荷物に仕込んだGPSで描く動画が、かつて話題になりました

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